GERA COUNTER — 議論用たたき台 v0.1

笑いを、数える

オンライン会議でいちばんよく笑うあの人の笑い声を、AIが検出してカウントする。そんなアプリを試作しています。この資料は仕様を決めるための、たたき台です。

27わらい

2026-07-09 ・ 読み終わるまで約5分 ・ 感想と意見を募集中

1会議でいちばん笑う人の笑いを、そのまま数字にするアプリを作っています。

オンライン会議の画面で1人が大笑いし、隣のカウンターが27から+1される様子のイラスト
笑った瞬間、画面のカウンターが1つ上がる

オンライン会議には、よく笑う人がいます。その笑い声が聞こえるだけで、場がゆるみます。

でも会議の楽しさは、終わった瞬間に消えてしまいます。笑った回数を数字として残せば、楽しさは見返せる思い出になる。それがこのアプリの発想です。

使い方の想定はこうです。参加者の1人がカウンターを起動しておく。会議のどこかで「今日ここまでで27笑いです」とスクショを貼る。たぶん、そこでまた笑いが起きます。

まじめな業務ツールではありません。ただし、作りは本気です。

2笑い声は文字起こしではなく、「音の種類」として検出します。

音波がAIの耳に入り、521種類の音の棚から笑いの仲間6種類が光って選ばれる図解
521種類の音を聴き分けるAIが、笑いの仲間6種類を知っている

文字起こしソフトは、笑い声が苦手です。「ははは」は言葉ではないため、文字にならずに捨てられてしまいます。

そこで発想を変えて、音そのものを聴き分けるAI「YAMNet」を使います。521種類の「音の種類」を判定できる学習済みモデルです。

この521種類の中に、笑いの仲間が6種類も入っています。くすくす笑い、忍び笑い、爆笑まで区別できます。

追加の学習も、笑い声の録音集めも不要でした。できあいの部品が、この用途にぴったりだったのです。

笑い6種類の内訳

Laughter(笑い)・Giggle(くすくす)・Chuckle, chortle(ふふっ)・Snicker(忍び笑い)・Belly laugh(爆笑)・Baby laughter(赤ちゃんの笑い)。この6種のスコアを合算して判定しています。

3音声はどこにも送りません。ぜんぶブラウザの中で完結します。

音声をクラウドに送る方式に×、ブラウザの中だけで処理する方式に鍵マークが付いた対比図
会議の音声は、あなたのパソコンから一歩も出ない

会議の音声を扱うので、いちばん大事なのはここだと思っています。

判定AIはブラウザの中で動きます。音声がインターネットに送信されることはありません。

録音も保存しません。残るのは「何分何秒に笑いがあった」という数字だけです。

クラウドAIのアカウントも利用料も不要です。ページを開けば動きます。

4試作機はもう動いています。会話での誤検出はゼロでした。

0
会話22.7秒の誤検出0回
笑い2区間の検出2/2 検出
60秒の自動テストで、会話は数えず笑いだけ数えた

60秒のテスト音声を機械的に流し込む自動検証を作りました。中身は日本語の会話22.7秒と、笑い声31.6秒です。

結果、会話パートでの誤検出は0回。笑いパートは2区間とも検出しました。

正直な注記もひとつ。検証に使った会話は合成音声です。本物の会議の声ではまだ測っていません。次の実戦テストで確かめます。

5「今笑ったよね」の体感に、3つのつまみで合わせ込みます。

1発火しきい値どれくらい笑いっぽければ数えるか
2解除しきい値笑い終わりをどこで区切るか
3再カウント間隔何秒空いたら別の笑いと数えるか
感度は固定しない。場の体感に合わせて調整できる

このアプリの品質基準は、検出の厳密さではありません。みんなが「今笑ったよね」と感じた瞬間に、カウンターがちゃんと動くことです。

そのために感度を3つのつまみにしました。試作中も「基準が厳しい」「もっと刻んで」という感想に、その場で合わせ込めています。

実測では、同じ16.5秒の笑い声のカウントが設定しだいで変わりました。間隔1秒なら3回、0.25秒なら5回です。にぎやかに数える「やたらカウント版」も選べるということです。

6次はテキストで入れたワードを、音声から拾って数えます。

会議音声が笑いレーンとワードレーンの2つに分かれ、それぞれのカウンターが回る構造図
同じ音声から「笑い」と「ワード」の2つのカウンターを回す

「この言葉、今日何回言った?」を数えられるようにします。数えたいワードを文字で入力すると、その声を検出してカウンターが回る。口癖カウンターです。

作りとしては、笑い検出と同じ音声の流れに、言葉を聞き取るレーンを1本足す構えです。

実現方式の候補は3つあります。

(a) Chromeに新しく入った、端末内で動く音声認識。音声を外に出さない今の方針を守れる最有力です。ただし新機能のため実測が必要です。

(b) ブラウザ内で動く音声認識AIを載せる方式。確実に動きますが、モデルが重く、会議中のパソコンには負荷がかかります。

(c) クラウドの文字起こしサービス。制作者の別ツールで実績があり精度も高い一方、音声を外部に送ることになります。

布石: フィラー除去の流用案

候補(c)の布石として、「えー」「あの」などのフィラーを除去する仕組みが制作者の既存ツールで本番稼働しています。除去した数をそのまま数える「フィラーカウンター」流用案もあります。

正直な課題メモ

聞き取り結果は表記が揺れます(「なるほど」「成程」など)。短い相槌ほど拾い損ねが増え、特徴的な長いフレーズほど確実に拾えます。狙うワード次第で難易度が大きく変わります。

7決めたいことは4つ。あなたの意見で仕様が決まります。

4人がたたき台の紙を囲み、それぞれの吹き出しで意見を出し合っている場面のイラスト
この資料はたたき台。ここからは一緒に決めたい

試作はここまで動いています。ここから先は、使うみんなで決めたほうが面白くなります。

① 数えたいワードは何ですか?あの人の口癖・決めゼリフの実例を募集します。ワードの長さで実現難易度が変わります。
② 数える対象は誰まで?いちばん笑う人だけを狙うか、会議全体の笑いを数えるか。
③ 音声を外部のAIに送るのはアリ? ナシ?ナシなら端末内方式に絞ります。会議の音声を扱う以上、ここはみんなの合意で決めたい。
④ どう見せると一番おもしろい?スクショをいつ貼るか、本人にいつ渡すか、カウンターの見た目の方向性。アイデア歓迎。

意見や感想は、この資料が届いた場所にそのまま返信してください。全部読みます。

付録: 技術メモ

ここから下は、興味のある人向けの詳細です。読まなくても本編の理解には影響しません。

項目内容
検出エンジンYAMNet (521クラス音イベント分類・笑い系6クラス合算) を MediaPipe AudioClassifier でブラウザ内実行 (WASM)
判定方式解析窓0.96秒・判定周期0.24秒。発火/解除の2しきい値+再カウント間隔で「笑いっぱなし=1回」を制御
入力3系統マイク / タブ・画面共有の会議音声 / 内蔵テストサンプル
自動検証60秒テープ(合成会話22.7秒+笑い声31.6秒)をヘッドレスブラウザで再生→PASS/FAIL判定。しきい値0.35〜0.55が安定域
プライバシー分類はローカルWASM実行・音声送信コードなし・録音保存なし
ワード検出候補音声の扱い強み弱み
(a) Chrome端末内認識端末内で完結方針維持・追加コストなし新機能で品質未実測
(b) ブラウザ内AIモデル端末内で完結確実に動くモデルが重い・負荷
(c) クラウド文字起こし外部送信あり精度・既存ツール実績同意と通信コストが必要

今後の順番: 実際の会議での感度較正 → カウンター画面の作り込み → ワード検出の方式実測、の順で進める予定です。